コンサルへの転職で志望動機はどう伝える?志望動機の例をケース別に解説

コンサルティングファームでの選考では、面接時に志望動機が必ず聞かれますが、印象が良い志望動機とそうでない志望動機とで評価が大きく分かれると言われています。

では、どのような志望動機を伝えれば、企業から好印象を得ることができるのでしょうか。

本記事では、数々の方のコンサル転職を支援してきた実績を持つ私たちが考える、コンサルティングファームへの志望動機を作成する際のコツを紹介していきます。

コンサルタントに志望動機が求められる理由とは

面接時に志望動機が聞かれる理由は大きく二つあると考えています。それは、「コンサルタントとして活躍できる思考力があるか」と「入社後にギャップを感じないか」ということを確認するためです。

コンサルタントとして働く上では、物事を構造化して理解し、クライアントに対して筋道を立てて説得力のある提案を行うスキルが求められます。よく、コンサルで働くうえでロジカルシンキングが重要と言われるのはこのような理由のためです。そのため、一見業務には関係がないようにも見える志望動機を伝える際にも、コンサルタントとして働くうえで必要な論理的な説明をすることができる力が必要になってきます。

「入社後にギャップを感じない」という観点では、世の中にあふれているありきたりな志望動機ではなく、どれだけ自分の言葉でまとめられているかという、手触り感のある志望理由である点が重要です。

コンサルタントの仕事はクライアントワークであるため突発的な業務が入ったり、納期に追われて残業をするということは避けて通れません。せっかく採用したのにすぐに離職されてしまわないように、覚悟がある人材を企業は採用したいと考えております。

そのため「経営課題を解決したいから」のようなありきたりな志望動機では、説得力のある原体験を示すことが難しく、入社後に活躍する姿をイメージしづらく思われてしまうかもしれません。

コンサルでの転職で評価される志望動機の構成

面接官に「この候補者は入社後に活躍しそうだな」と思ってもらうことが重要であるため、志望動機を伝える上での絶対的なルールはありませんが、今回は内定者がよく使うフォーマットを紹介します。

前半で「自分がコンサルに入社して解決したい企業の課題」、後半で「入社後にどのように貢献できるか」、という二段階で考えることがおススメです。

前半部分はしっかり考えている方が多いのですが、後半部分が弱く面接時の印象が良くないという事例はよく見受けられます。

コンサルの業務は、「企業の課題解決を行う」という大義名分はあるもののそれだけを漠然と伝えるだけでは、「入社後に泥臭い業務を依頼したら辞めてしまうのでないか」と思われてしまうかもしれません。

そのため、単に「企業の課題解決を行いたい」と伝えるのではなく、「〇〇業界の〇〇という課題をDXによって解決したい」といったように具体的にした方が印象は良くなる傾向にあります。

各職種出身者別の志望動機の例文

分かりやすいようにいくつかの業界の方向けの志望動機の例文を紹介します。

IT営業から転職する場合の例文

現職では、ITツールを導入してもらうことにより企業の業務効率化を推進していましたが、実際の問題は企業がトップダウンの組織であり意思決定が遅いということだと感じていました。営業という手法では自社の製品を売るということでしか課題解決に貢献出来ないことに疑問を感じており、本当に適切なソリューションを提供できるコンサルで働きたいと思いました。

現職で培った、コミュニケーション能力や顧客の求めているものを分析する能力を活かせると考えています。

SEから転職場合の例文

SEとして、システム開発、導入によって企業の課題解決を行ってきましたが、より上流の業務に挑戦したいと考え、コンサル業界を志望しています。現職では、システムの設計、導入を担当してきましたが、システムの導入が抜本的な解決にならないことも多く、本当に顧客の課題解決のために様々なソリューションを提案できるコンサルを志望しております。

保険営業から転職する場合の例文

私はこれまで保険代理店で、顧客のニーズに応じた保険商品を提案し、アドバイスを行ってきました。保険業界における知識と経験は深まりましたが、今後はより幅広い業界でのコンサルティングを通じて、自分の視野を広げたいと考えるようになりました。コンサルティングファームでは、多様な業界のクライアントに対して戦略的な課題解決を行うことができ、さらに専門性を高めると同時に、業界横断的な視点を養うことができると考えています。また、保険業界では保守的な体制の企業も多く、最先端のテクノロジーを用いて課題解決を支援できることに魅力を感じ、貴社を志望しております。

NG志望動機例

英語を使う環境に憧れがあり、コンサルファームを志望しております。

ポイント

グローバルに働くことができる業界は、コンサルに限りません。

また、big4など本社が海外にある企業であってもクライアントは日本企業であることが多く、コンサル業界のことを深く調べていないのではという印象を持たれてしまうかもしれません。

経営者層と対話することが求められるので自分を成長させることが出来るからです。

ポイント

こちらも、原体験とセットでなければ独りよがりな志望理由に聞こえてしまいます。コンサルタントは、調査した上でクライアントに示唆を出すことが仕事です。

そのため、未知の業界であっても素早くキャッチアップしていくことが求められ、その結果専門性が磨かれるという順序です。

なので、成長することを目的として押し出しすぎるのはあまり印象はよくありません。自分に向いた志望動機だけでなく、外に向いた志望動機も織り込むようにしましょう。

前職の上下関係が厳しく正当に評価される環境で働きたいと思ったからです。

ポイント

確かに外資系ファームなどは、伝統的な日系企業に比べるとドライな社風であることもありますが、どんな職場であっても礼儀や人付き合いは重要なものなので、前職の環境を悪く言うのは好ましくありません。

むしろ過去のプロジェクトで一緒に仕事をしたパートナーから指名でアサインされるようなケースもあるため、コンサルがドライだとは一概には言えないでしょう。

志望動機をブラッシュアップする方法

ここからは作成した志望動機をブラッシュアップする方法を紹介します。

自己分析を徹底する

自分のこれまでの経験(現職での業務内容やスキル)と、コンサル業界で挑戦したいことを明確にします。具体的な実績や課題解決の経験を掘り下げ、どの部分がコンサル業界に活かせるかを整理しましょう。

業界理解を深める

コンサルファームが提供する価値や業界の特徴を理解し、自分の目指す方向とどうリンクするのかを考えます。コンサルファームでどのように成長したいか、どんな貢献ができるかを明確にします。

具体的な目標を設定

転職後に達成したい具体的なキャリア目標や挑戦したいプロジェクトを考え、それがコンサル業界にどうマッチするかを言語化します。

転職エージェントや友人と壁打ちする

自分の志望動機をエージェントや友人に話し、フィードバックをもらいます。第三者の視点で、強みや改善点を指摘してもらうことで、より洗練された志望動機に仕上げます。

まとめ

上記のポイントを押さえながら、できる限りアウトプット量を増やしましょう。

初めは漠然とした理由しか浮かばなくても、何度も書き直し、試行錯誤を重ねることで、次第に説得力のある志望動機が出来上がってきます。最初の段階では、過去の経験や自分のスキルセットを羅列するだけになってしまうこともありますが、その中で何が自分にとって重要なのか、コンサル業界でどのように活かせるのかを深掘りしていくことが大切です。さらに、エージェントやコンサル業界ではたらく知人にフィードバックをもらい、改善を重ねることで、より具体的で納得感のある志望動機が形成されます。志望動機は、数をこなしていく中で、自分の強みと志向を正確に伝えるための大切なツールになるので、何度も書き直し、ブラッシュアップしていくことが成功への鍵となります。